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「ROIC超入門-P/Lだけじゃない事業ポートフォリオ改革」
著者:(共著)松永 博樹・伊藤 学
出版社:日本能率協会マネジメントセンター; ISBN: 9784820729624 (2021/12)
定価:1,800円+税
ある会社で、ROIC を経営指標とする経営管理制度導入のお手伝いをしていたときのことです。財務部門のご担当者から以下のようなことを言われました。
「問題は、どうやってこれを現場に説明するかですね。現場に説明しても、B/S って何ですか? と言われますよ」と。
いま、多くの会社が経営管理に ROIC の導入を進めていますが、導入はしたものの、現場への浸透に苦労しているというお客様が多くいらっしゃいます。
本書は、「P/L(損益計算書)はなんとなく分かるけど、B/S(貸借対照表)、簿記はよくわからない」という方や、「ROIC を上げるには、在庫削減や
滞留債権を回収すればよいことはわかるけど、理屈は説明できない」 という読者を対象として、 「ROIC を導入すること、すなわち『利益中心の経営管理から資本効率を意識した経営管理へ』とはどういうことか」をできるだけ平易に説明します。
そのため本書は、会計の専門家でなくとも「財務会計の基本であるB/S や P/L とはなにか」「ROIC と似た名前である ROA や ROE となにが異なるのか」、そして「会社の成長や世の中の動向によって、管理会計がどのように変わってきたのか」を説明し、「ROIC がなぜ必要になったのか」「ROIC 経営が何を管理すべきなのか」を理解できるようにしました。
●ROIC(投下資本利益率)を用いた事業業績管理の構築サービスについて
●ROIC本誕生ストーリー(PRTIMES掲載)圧倒的わかりやすさでROICをスタンダートに。現場マネージャーや担当者に向けた『ROIC 超入門~ P/Lだけじゃない事業ポートフォリオ改革』の誕生秘話とこだわり
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ROICとは投下資本利益率のことで、「事業のために投じたお金(投下資本)が企業の儲け(利益)をどのくらい生み出したのか」を効率性の観点から見るための指標です。
ROIC(投下資本利益率) = 利益 ÷ 投下資本
似たような指標にROE(株主資本利益率)やROA(総資産利益率)があります。ROEはバランスシートの右側の株主から調達した資金によって、どのくらい効率的に利益が生み出されているかを測るものであり、株主目線の指標です。一方、ROAは全ての資産でどのくらい効率的に利益が生み出されているかを測る指標で、事業活動に直接関係しない資産も含まれます。ROICはROEやROAと比較すると、少し計算が複雑になりますが、「どのくらい効率的に本業で稼いでいるか」という稼ぐ力をより正確に表すことができます。そこで近年では、ROICを経営の最重要指標として掲げている企業が増えています。
本書は、会計・経理の専門家向けでなく、大手・中堅企業の社員全員(営業・製造・企画・管理・購買…)がROICを理解し、日頃の業務に活用できることを目的とした入門書です。